チャットアプリ比較

楽天がViberを買収した直後にFacebookがWhatsAppを買収するなど、電話番号で登録するチャットアプリが注目を集めている。ちょっと比較してみよう。

今回比較するのは楽天が買収したViberとFacebookが買収したWhatsAppのほか、以前マイクロソフトが買収して自社のメッセンジャーと統合したSkype、そして日本では圧倒的な普及率を誇るLINEの4つだ。

登録時に必要な情報
 
電話番号をアカウントとして使うタイプのアプリなので基本的に登録時に携帯電話番号をが必要だ。中でもViberとWhatsAppは認証コードをSMSで送信してくるので携帯電話番号がなければ登録すらできない。自分の電話番号を教えるというのは気になるところだが、少なくともある程度名前の知れたところであれば迷惑電話がかかってきたりむやみにSMSが送信されてくるようなことはないようだ。始まったばかりの無名のサービスの場合、信用に足るものかどうか様子を見てから登録するほうが安心だ。
 
LINEも同様に電話番号が必要だが、電話番号の代わりにFacebookアカウントで認証することによって電話番号の登録をしなくてもアカウントを作成することができる。
 
Skypeは電話番号をアカウントとして利用しないので電話番号の登録は任意だ。マイクロソフトアカウントと統合されてからは、マイクロソフトアカウントでSkypeにログインできるようにもなった。
 
アドレス帳データの送信
 
以前、初期のSNSブームのころに最強のSNSは携帯電話のアドレス帳だと書いたことがあるが、それをアプリで実装したのが電話番号登録型チャットアプリだ。サービスにアドレス帳データを送信してコンタクトリストとして利用する。アドレス帳データを送信するということは友人の個人情報を他人に教えるということなので嫌う人も多いだろう。LINEでアドレス帳データを勝手に送信されたと騒ぎになったのはずいぶん前だったが、プライバシーと利便性のバランスの問題だ。要はユーザーの意思で決定できればいい。
 
いずれのサービスもアドレス帳データはコンタクトリストの照合以外の目的では使わないと言っているが、絶対に漏洩事故がないとは言えない。少なくとも顧客データ満載の業務用端末でこの手のアプリを利用するのは控えたほうがいいだろう。
 
ViberとWhatsAppはアドレス帳データを送信しないという選択肢はない。iOSの場合はOS側でアドレス帳へのアクセスをブロックすることができるが、Andoroidではアプリを起動したら勝手にアドレス帳データを送信されてしまう。
 
LINEは初期設定の際にアドレス帳データを送信するかどうか確認するので、送信しない設定にすればアドレス帳データを送信されることはない。登録した自分の電話番号も、他人が送信したアドレス帳データと照合されないよう設定することもできる。LINEも登場当時はViberやWhatsAppと同様の仕組みだったが、勝手にアドレス帳データを送信する危険なアプリだと騒ぎになって運営側がユーザーの選択肢を用意して現在の形式になった。
 
Skypeは電話番号をアカウントとして使っていないので、アドレス帳データを送信することはない。
 
外部との接続性
 
チャットアプリの最大の欠点は接続性に欠けることだ。電話やメールは利用しているサービスに違いがあっても、お互いに電話、メールであるというだけですべてのサービスとつながることができる。ところがチャットアプリはそれぞれのサービスで閉じてしまっている。これでは電話やメールに次ぐ第三のコミュニケーション手段にはなりえない。
 
SkypeはIP電話として電話番号を取得することができるので、有料で電話番号を取得すれば電話として接続できる。電話番号を取得しなくても、一般の電話相手に発信することや携帯電話にSMSを送信することができる。
 
Viberは登録時の電話番号を自分の電話番号として一般の電話と通話やSMSが利用できる。あらかじめ電話番号を登録してあるのでSkypeのように別の電話番号を取得する必要すらない。
 
WhatsAppやLINEは外部には接続できず、閉じている。LINEは閉じていることを安全性として表に出しているが、いずれは接続性の高いサービスに押されるだろう。
 
マルチデバイス
 
スマートフォンやPC、タブレットなど、一人で複数の端末を使うこと多くなった。一つのIDですべての端末で使えるならば、端末ごとに違う番号になる携帯電話より便利なものになる。
 
Skypeはもともとが電話番号ではないIDなので、複数の端末にインストールして使うことができる。Viberは電話番号をIDとして使うがマルチデバイス対応だ。2台目からは利用中のViberアプリに認証コードが届く。
 
Lineはモバイル端末に関しては排他利用となる。別のスマートフォンでIDを登録すると、以前使っていた端末での利用が無効となる。ただし、メールアドレスとパスワードを登録すれば携帯端末とPCとでは同時利用が可能だ。
 
WhatsAppは電話番号のないタブレットやPCでは利用できない。完全に携帯電話のSMSの置き換えアプリだ。現状ではFacebookメッセンジャーのほうがマルチデバイス対応の上にメールアドレスのある相手となら外部接続もできるなど多機能だ。
 
まとめ
 
こうしてみるとSkypeが一番便利だが、PC世代のサービスなのでプライバシーの問題はともかくとして携帯電話で簡単に登録という点では後発のサービスに負けている。
 
LINEは外部接続性には欠けるもののメッセンジャーとしてはよくできている。登場当初はかなりプライバシー面で粗削りだったのだが、初期のユーザーの反応によって無断で個人情報を取得しないよう配慮されるようになった。最近のニュースでは事件でもLINEでメッセージを送信とか、以前なら携帯電話に、といったシーンがLINEに置き換わっている。それだけ日本では普及したということなのだろう。
 
ViberやWhatsAppは今後楽天やFacebookがどうするかによって扱いが変わってくるだろう。
 
Viberは海外のサービスということもあり日本では知名度が低かったが、楽天の買収によって知名度が上がってくるだろう。楽天のサービスと統合されるということは楽天にデータを把握されるということでもある。
 
WhatsAppは電話番号認証という点以外ではFacebookメッセンジャーに利するところがあまり見当たらない。Facebookは以前買収したInstagramなどもほぼそのままの形で運営しているが、今後どうなるのか気になるところだ。
 
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