ウィルスに感染してしまったら

このところWindows PCがウィルスに感染したという話をよく聞く。時期によって多寡があるようだ。ここでは検索にかかりやすいようウィルスという表記を用いたが、実際には狭義のウィルスではなく悪意あるソフトウェア全般のうち特に多いのはいわゆる迷惑アプリだ。

悪意あるソフトウェアがシステムに入り込んでしまった場合、最善の解決方法は専門家に任せることだ。ウィルス対策ソフトを開発し販売している企業は有料で駆除サービスを提供していることが多いし、PCのメンテナンスができる業者も多い。

そして、一番よくない対応方法は、パソコンに詳しい友人に任せることだ。詳しい友人とやらに任せた結果ひどいことになったPCをたくさん見ているので、その手の自称詳しい人は全く信用できない。本当に詳しい専門家の友人であれば任せても安心だが、そういう人はそれを生業にしているので無料で安請け合いしたりしない。家族であるとか、よほどの大恩を売っているとかでもない限り、無料で請け負う詳しい友人は敬遠したほうがいいだろう。正規の料金を支払うなら対応してくれるという友人であれば信用してもいい。

そうはいっても自分で何とかしたいというのが人情というものだろう。少なくとも検索してこの文章にたどり着く程度のスキルがある人なら、後述する初心者向けから中級者向け程度の手段は自分でできるだろう。ただし実行結果については一切保証しない。自己責任でどうぞ。

初心者向け

ここで紹介するツールはダウンロードしてすぐに実行できるタイプのツールだ。インストール作業は必要ないので使い終わって不要になればダウンロードしたファイルを削除するだけでいい。

いずれのツールも簡易的なものなのでこれで完全に悪意あるソフトウェアを削除できるとは限らない。これでうまくいかない場合は、中級者向けのツールを利用するか、専門家に連絡するべきだろう。

Microsoft Safety Scanner
http://www.microsoft.com/security/scanner/ja-jp/default.aspx

マイクロソフト純正のウィルス除去ツールだ。ファイルサイズが大きいが、ウィルス定義を含んでいるので一度ダウンロードすればPCがオフラインでも使用できる。ウィルスに感染してインターネットに接続することが危険な状態のPCであっても、別のPCでダウンロードしてファイルをコピーすることで実行できるのが利点だ。

欠点としては、ウィルス定義を最新の状態に保つためにダウンロード後10日しか利用できないことだ。使うたびにダウンロードする必要がある。

F-Secure Online Scanner
http://www.f-secure.com/ja/web/home_jp/online-scanner

ウィルス検知率に定評のあるフィンランドのF-Secureの無料ツールだ。オンラインスキャナーの名の通り、スキャンのたびにウィルス定義をオンラインで取得するのでインターネットに接続された環境でないと利用できない。その代わり、利用時点で最新のウィルス定義を利用することができる。

Chrome ソフトウェア削除ツール
https://www.google.co.jp/intl/ja/chrome/srt/

ウィルス削除ツールではないが、Googleが作ったChromeに悪影響を与えるソフトウェアの削除ツールだ。Chromeを使っていてうまく動作しないなどの問題が出たときに使うといい。

このツールの実行後は、Chromeの設定をリセットしようとするので注意が必要だ。Chromeの動作不良が設定によるものならリセットが有効だが、そうでない場合はせっかくの設定が失われることになる。

中級者向け

ここで紹介するツールはダウンロード後にインストール作業が必要になる。不要になったら自分でアンインストールが必要だ。ここから先の文章はあえてわかりにくく書いてある。書いてある内容が理解できないならば、不用意に実行すると最悪コンピュータが起動しなくなる可能性がある。書いてある内容を理解できる人だけが自己責任で実行してほしい。

Kaspersky Virus Removal Tool 2011
http://avpt.kaspersky.co.jp/avptool2

ウィルス検知率に定評のあるカスペルスキーの駆除ツールだ。しかしバージョンは2011から上がっていない。ウィルス定義だけは更新されているのでこれで十分ということか。

注意点としては、インストール先フォルダにアルファベット以外の文字列が含まれている場合にエラーが発生する可能性があるということだ。

Malwarebytes Anti-Malware
https://www.malwarebytes.org/mwb-download/

メディアにはあまり露出しないが関係者の間では高い評価を得ているMalwarebytesの無料ツールだ。そのままインストールすると有料版のトライアルが始まるので無料版を使いたければインストール時にトライアルが始まらないよう選択する必要がある。

上級者向け

ここから先ははっきり言って「そんなのすでに知っている」というレベルの人が使うツールだ。初めて知った人はいきなり使わず、ウィルスやマルウェアについてしっかり勉強してから使ったほうがいいだろう。

Norton Power Eraser
https://security.symantec.com/nbrt/npe.aspx

ダウンロードして実行するだけの使い方の簡単なツールだが、疑わしいものはすべて検知するというポリシーのため、誤検知が多い。これに関してはNorton自身も認めている通り、検知率を限界まで高めるために誤検知のリスクを多くとっているということだ。必要なファイルも検知される危険があるので、スキャン結果を十分吟味してから修復を実行する必要がある。

herdProtect
http://www.herdprotect.com/downloads.aspx

68社のスキャンエンジンを使用してウィルスをスキャンするというツールだ。通常版のほか、ポータブル版も提供されている。

このツールの欠点は初回スキャンに非常に時間がかかるという点。疑わしきはクラウドで68社に問い合わせるのだから当然だ。検知率も68社分合計なら、誤検知も68社分合計だ。

また、検知結果はマルウェアとしてではなくマルウェアを構成するそれぞれのファイルとして表示される。インストーラの断片とかも見つけてきてくれるのでいいのだが、削除すべきものと誤検知を自分で判断してひとつずつ処理していくと、スキャン同様に非常に時間がかかる。

Windows Defender Offline
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/what-is-windows-defender-offline

ウィルスによって正常にWindowsが起動できない、あるいは起動後に駆除ツールの実行を阻害される場合に緊急起動用DVDを作成するツールだ。USB起動できるPCならUSBフラッシュドライブでもいい。いずれにしても、感染したPCとは別に正常に起動できるPCが必要だ。

いずれのツールを使用しても、完全にマルウェアを削除できる保証はない。専門家が作業しても同じだ。未知のマルウェアにまでは対応できない。

完全な状態に戻したければ、ハードディスクを削除してWindowsを再インストールするしかない。そうなると今までに作成したデータもすべて失われる。

そうならないためにも、日頃からのウィルス対策、そしてバックアップは怠らないことだ。

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